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「愛すべき」西洋骨董洋菓子店 レビュー

どうして私が小野を好きか

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「母というものは 要するに 一人の不完全な 女の事なんだ」

あの名作「愛すべき娘たち」の最終章にはこんなモノローグがある。この言葉を読んで、私がまず頭に浮かべたのは
よしなが作品の中でも あの困ったちゃん。
「彼」にあてはめて次のようなセンテンスが浮かんでしまったのだ。ジャスト言葉の意味ではないけれども、うまい具合に語呂が合っちゃったなあ。と思っただけ。

「小野というキャラは 要するに 一人の不完全な 男のことなんだ」

はあ、やっぱ私、「西洋骨董洋菓子店」がスキなんだなあと思ってしまった。
ほんじゃま、中でも愛すべき小野裕介よ、きっと貴方は人気者に違いないと、彼の人気を勝手にいろいろ調べてみたのだが。。・・うーん、かつての魔性様は、ここんとこ人気がないみたいでがっくし・・・。

人気ダントツは天使の千影、それに、ボンボン橘がみんなスキなんだね。ちいちゃんの人気といったら再版ギャルソンエプロンのちいちゃん版がさっさと売り切れているというのだからその人気度は押して知るべし。

橘、まずちょっと彼について考えてみたい。
子供のときのトラウマのせいか、彼の意識はいつも「自分」に向かっていて、他者に対する接し方が非常にドライだと思う。
冒頭の小野へのエピソードにあるように彼はなかなか残酷なことも平気で言う。小野よ、あんたはほんとに気の毒だった。間が悪かった。
でも財閥一族の金持ちボンボンで、ルックスもそこそこ、セックスはなかなか。手先は器用で語学に堪能、生まれ持ったお品のよさで彼は露骨に嫌われることはない。
何もかももっていそうな彼の望みは平凡な結婚と幸せな家庭。

ふーん、結婚して普通の幸せを手にいれたがっているようだが、ちょっと鼻につくような・・・
どうも彼は実は幸せな結婚のカタチに執着があるだけで女性そのものには執着がないだけのような気がする。ダンサーの勉強をしたいからスペインに行くという恋人に対しても 行くなとは言わない。待っているとも言わない、むしろ、「俺だってスペインにいったらフラメンコでもスペイン語でもできるようになっちゃうんじゃないか」と、相手のことはぜんぜん考えてない。このヒトったらすでにもう意識が自分に向かっていっちゃってる。

ということで結局、橘は、愛とか恋とかよくわからんので、幼いときからずっとそばにいた、自らの「キルヒアイス千影」の血を分けた娘 楓子の思いに「根負け」というよりは 「彼女ならば」「安心」して、いっしょに歩いていけるんじゃないか、なんていう確信みたいなものを感じてくっついてしまうんだろうというのが私の予想なのだ。

橘は子供のときのトラウマが今もかなり邪魔をしていて愛とか恋とか女性に対する感覚に麻痺している。ほんと女性の気持ちがよくわかっていないんだもの。
橘の元を去った女性たちは あたかも、女性自らかってに思い込みをしたり自らを卑下して身を引いているように描かれているが、きっと橘が相当無神経で鈍感な振る舞いをしてたんだろうな。
村松恵さんのときだって、何だありゃ、あんた仕事で失敗した女性に指輪差し出してプロポーズなんかするかね?頭がいいはずの彼なのに、女性に対する想像力が欠如していてスットコドッコイなことしてる。

でこちゃんの一途な思いに彼は根負けするだろうというよりは、彼が、「彼女なら俺を受け入れてくれるかもしれない」と確信をもてたときに彼らはむすばれるのだろうと思う。彼の奥深くに眠るなんだかんだをめざめさせてくれるとか、彼を変えてくれるとか、そんなたいそうなことは期待できないだろう。でこちゃんだってあんまり頭がよろしくないようだし・・・千影の義理の息子になることで橘は愛というものに整合性をつけ、奥深くの何か(何かはわからんが)がやっと満たされるのだろう。

というわけで、橘という男はカッコイイが自分に意識が向き過ぎてるようで、ちょっと・・・と、私は実は少し遠くで橘という男を見ているんである。


それからエイジ。エイジは登場人物たちのなかで一番安定していて、一番オトナに見える。最初この作品を読んだ時、私の中の神田エイジは「次の人」っていうか、主たる位置づけの登場人物ではなかったし、食指が動かなかった。しかしだ、何度も作品を読んでみると、愛らしくてかわいくて見所のある人物であることがだんだんわかってきた。
私のブログに遊びに来てくれる目利きのファンのかたのなかにもエイジのファンだという方は結構いる。
きっと何度も作品を読み込んでいらっしゃる方で、エイジの素晴らしさに気づいている方々だと思う。

エイジは他者にはやさしくて、自らには素直、仕事に対しては一生懸命。お師匠様にはココロからの敬意を払っている。なんともかわいいではないか。

この人は今すくすくと育っている人だ。私はコンスタンスがうらやましい。紫の上を育てる光源氏のような気持ちだろう。彼は年上の女性と接して健やかに育っていくだろう。そし小野が言っているとおり、彼は小野を越えるパティシエになって、小野の元を巣立っていくんだろうと思う。
昔のブログ記事にしたためたことがあるが、エイジは結局海外で成功し、一流のパティシエとなって、きっとそのうちアンティークで働いている小野をスカウトにくるなんて展開もありえるんじゃないのかと、私の中ではかなりリアルに妄想話ができあがっている。
もし今のエイジに言い分あるとすればボクシングの賞金を孤児院に寄付しちゃうという心の美しさがほんとかあ?なんか嘘っぽいというところくらいか。
あと、BL展開をエイジに求めるファンの方には申し訳ないが・・・私の中では神田エイジはあくまでもいつまでもノンケだ。
彼がアンティークにかつてのお師匠様 小野裕介をスカウトっていうか錦を飾るって言うか、会いにくるところを見てみたい。そのとき小野はどうするのか・・・ああ、ちょっと妄想がとまらなくなってしまうのでエイジ話はこのへんで。

そして小早川千影・・ちいちゃんなのだが・・・うちのブログを尋ねてくれるかたがたには彼のファンは多い。しかし・・ううこれ書くの勇気いるがお許しを・・・あのあの彼、いざというときは頼りになるし、癒し系かもしれぬが、ちいちゃんみたいに何もできないっぷり・・あんな心が綺麗で、あんなに何もできない男なんて、ありえないっつーか、むしろ絶対疲れそう。
というのはだ、あんなキレイな外見と中身の持ち主ならば私なら、誰かにとられてしまうと思って心配で心配でしょうがないだろうな。
彼こそ博愛の天使だが、ことさら自分にちいちゃんを振り向かせるには小野みたいな強烈セックスアピールか、とことん生活力に欠けるだめだめな千影のしっかりしたフォロワーになってかなり尽くしてあげなければならない。
千影は何倍にもして返してくれるとは思うが、そもそも見返りをちいちゃんに期待しているあたりがもう我ながら打算的でほとほと自己嫌悪だ。
というわけでココロもカラダも綺麗過ぎる男にはかえってコンプレックスを感じてやすらげないのが本音。
つーことで私にはちーちゃんにはどうもいまひとつ、盛り上がる感情が湧き上がんないんである。

それにくらべ 小野裕介・・男をとっかえひっかえで刃傷沙汰までおこすほど性生活に節度のなさがクローズアップされ、代名詞は人でなし。彼は女性には嫌悪感があり昔からオトコがスキ。

小野裕介・・・とにかく彼はどうしようもない魔性様だが、でも美しいのだ。美しい男ならば許す。
「小野裕介のレシピ」どこを読んでも美麗な小野がいる。魔性様炸裂のたまらん本だ。私なんて二冊持ってるし。

小野がなぜ橘にいつまでも執着するのかなあというのは当面の私のテーマだ。実はまだよく分析できていない。過去の橘とのやりとりをずっといひきずっているからなのか、完璧なようでいて、他者に対する配慮、接し方の感覚がなんかおかしいそのヒリヒリ感を小野裕介の感性は敏感に感じ取って、彼の心にゲイがすべりこめるかもと思ったのか????なんかこのへんはよくわからないんですよね。

まあ男に対しては節操がなく困ったものだ。うん、でもいいじゃん、登場人物の中では一番はっきりしていて明確な人物だ。いいじゃないか。
そして彼はフランス仕込の一流のパティシエ。
仕事にはプライドを持って臨んでいる。
そして彼の好きなところは、他者、ちいちゃんやエイジへの「子育て」にはすばらしい才能を発揮しているところだったりする。
彼ら二人からは事実慕われているではないか。

それに彼ったら問題はあるものの、その性格描写、目の前の男性への思いなどなど、想像力が豊かだ。私が一番好きなのは、ジャン・バティストにぼろぼろに殴られ、へろへろになってても結局ジャンから自分を助けてくれたナイト千影の泣き顔になんだかムラムラしてるところである。描写は3巻に丁寧に描かれている。
魔性様降臨。おもしろくてオイシイキャラではないか。

あとはかの名シーン・・これは漫画史に残るくらいの傑作と思っているのだが、雨の中で千影を妖しい流し目でくねくねしている小野、
誰もが名場面と思っているはず。
「雨に歌えば」なのか「雨にぬれても」なのかタイトル付けはみなさんの心の中にお任せしたいが、とにかく彼とことんヘンテコじゃん、面白すぎるじゃん。
・・私って少数派なんだろうか。
40近い独身恋多きお姉さん(うそです)だったら小野みたいな嗜好思考志向もわからないではないんだが。

気にかかるのは最近まるまるっこく坊やのように描かれている彼で、昔の黒い小野を愛していたファンが離れていかないかということ。
もっとも気の毒なのが「悪魔のような男」みてられんかった。
千影に脚をおっぴろげられながら、無我夢中なカッコで「ダメダメ」といいながら、エッチしている。千影はなんとも色気たっぷりなのに小野ユースケは気の毒に、道化みたいになっちゃってる。
うう・・・あのシーン小野がかわいそうで気の毒で見てられなかったのだ。
おいおい 「猫とおじさん」の誘惑・魅惑の美麗小野はいったいどこへいったのだ・・・。

そして「橘という男」この作品のラストの小野の表情ったらなんだか何もかも悟りきったおじいさんのようで、「あんたいったいどうしたのだ」ととっても驚かされた作品ではありました。ラストではでこちゃんと抱き合っちゃうしさ。あれはでこちゃんの愛らしさを抱きしめたのではなくって、橘に恋している小野自分自身を抱きしめてもいるのだろうし、また、その向こう側にいる橘自身を抱きしめているかのようにも解釈しているんですけどねー

そう小野の描き方の話に戻りますけれども、そもそものシャープな線の小野に戻して、セクシーでときに寂しげな雰囲気をかもし出す彼をぜひとも復活させてほしい。
彼にだけは、なんつーか もっさり感が似合わない。セクシーなあしゅら男爵でいてほしい。いいのだ、別に改心しなくたって。
改心したとしたって、イモくさくなる彼を見ているのはつらい。

いや ほんとです。小野ファンはココロから祈っておりまする。美麗クールな小野が復活する日を。セックスや男に依存しないでも凛として幸せになるのはいいが、あかぬけなくなってしまうのはアウトだ。

いっそのこと小野のようなどうしようもないヤツでも魅力があるのだからしょーがないじゃないかっていうなんか新しいというか新鮮な恋愛のカタチとやらがあってもいいじゃんって。そんなのを見てみたいなって思うんですよ。


と、ここまで書いてきて気づく。

やっぱり西洋骨董洋菓子店って名作なんだなと。何がすごいのかというと、考える余地というか作品ののりしろがたっぷりあるということだ。

いや やはりよしながふみは天才なんですよ。要はそういうことですな。

なんかよしながふみさんのことを忘れて西洋キャラに没頭して書いてました。ははは。


追伸 
ユースケ・オノのName入りのコックコートまたは、パティシエセットとかなんか小野ゆかりのなにかが発売されたら私絶対買いますから。よろしくお願いしますです。


長い文章ヘンテコでまとまりがありませんでしたが最後まで読んでくださって本当にありがとうございました。
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~ Comment ~

 

 おはようございます。
 
 おお、細かく西洋骨董の人物を分析しましたね。西洋骨董への愛情を感じました。

橘→橘、好きなんですけど、どこか萌えを感じられなかったんです。「どしてかなー」と思ったけれど、相沢様の文章を読んで、「これだーーー!」とピキーンときました。そう、結局橘は幸せにしてもらえないと思っているけれど、彼が女の人を幸せにできるかどうか・・・。いい結末がおとずれますように。

エイジ→これは萌えでした。でも、外見とかで好みが分かれるので、他の人の萌えではないのかも。あと、ツンデレ感がなかったり・・・(そんなこと聞いてないわ!)。でも、こぉいうキャラは萌えは別にしていてもいいと思うなと。

千影→人気ですね、千影さんは。外見とのギャップがすごいv(←?)ですね。あの天使っぷりが、ワォってかんじでした(意味不明)。

小野→あの儚げで壊れちゃいそうなトコ、いいなぁ。もっと自分を大切にしてね。あの遠くをみた目が切なげで艶っぽい。同人誌だとだんだんアレですが。ホント復活して欲しいですー。

 中坊には、人物の分析なんてホント難しいことなんで・・・萌えポイントみたいな内容になってしまいましたが、許してくださいね。

藤堂チナ様 

こんばんは。うちのブログも最近内容はぽわわわんとしてばかりいたので、相沢が二次元のなかでいっしょけんめ愛してい西洋のキャラについてうだうだうだうだ書いてみました。
もともと基本スタンスが「小野LOVEYOU]ですからちょっと普通の考え方と違うのと、これで遊びにきてくれる人がいなくなっちゃうかなとおっかなびっくり書いたんですけどね。今度からこういう記事を増やしていこうかなと思います。

私は「それを言ってはおしまいよ」の短編集も大好きなので、あの本について今いろいろ考えてるとこです。

いえいえ。 

 これで遊びに来てくれる人増えると思いますよ。私はたっぷり堪能させていただきましたとも。こんな細かい分析、ほんと愛がなければ出来ませんわ。西洋骨董~の同人ものは全然読んでいないのですが、いつかは絶対読みたいと思わされます。う~ん読みたい。

 

こんにちは。

相沢様は、ほんとにほんとに小野の事が好きなのですね。
うん、それはすごく伝わりますよ。

昨日、この記事を拝見致しまして、いつもとは違った内容に少し戸惑ってしまったのと、相沢様の真摯で実直なお考えに対して、私の考えがまとまらずコメントできなかった事をお許しください。

キャラに関しては人それぞれ価値観の違いがあるので、相沢様が申し訳なく思う事など何も無いと思います。ただ、エイジ、千影、小野に関しては予想どおりの答えだったのですが、橘があまりお好きでないのには驚きました。ずっとお好きなんだと思っていたものですから。

作品にしても解釈の仕方が違うのは、当然の事だと思います。私もいろんなブログ様のレビューを拝見させていただいて、考え方の違いを感じる事が多々ありますから。思い入れのあるキャラの表情や、言葉や、しぐさで微妙に見方が変わったりすることもあると思いますし・・・。

えと、結局のところ何もまとまっていないのですが、相沢様の率直なお気持ちが聞けて良かったと思います。

トミー様 

そうですね。
同人誌は展開ががらっとかわります。面白いお話もあるし、シリアスなお話もあるし。とくに月9ドラマから入ったかたは絶対驚くと思います。

私の周囲では、いろんな意見がありますよ。商業誌だけのほうがよかったという意見のコもいるし、同人誌ごとまるまるで西洋骨董だという意見のコもいます。

さつきさま 

さつきさまこんにちは。

橘についてのコメントありがとうございますです。

私が 橘 に抱いている
気持ちでひとつはっきりしてるのは

「彼に恋しちゃったら結構しんどい」

ですね・・・・・。

彼みたいなタイプが
「三次元」で実在したら、わりと遠くで見ているほうだと思います。

なんだか いい人なのか困った人なのかよくわからなくて なんだか ものすごい気持ちを ぐらんぐらんと 揺さぶられそうだから。

(あくまで個人的意見です)

 

私、愛すべき娘たちのその言葉なぜか一番大好きです。
めずらしく記憶から消えません。

それから小野とかに飛ぶことはないのですが、私は深く考えて本を読まないらしく、いつもなんでその本が好きなのかが
わからないんです。たぶん人に「どこが好き?」と言われようものなら「なんとなく・・・。」としか答えようがない!!

だから、いろいろ考えを持っててそれを文章に出来る相沢様がまずすごいです。私のりしろなんて全然かんがえなかったですもん!(自慢するなよオイ・・・)

でも人ってなんとなく自分に似てると好きか嫌いかのどっちかだと思うんですよ。
だから一番人間くさい小野はなんか弱さに共感できることもあり、自分の嫌な部分を見るようでもあるんじゃないですかかね。
(まぁ、あんな魔性様は小野様しかいらしゃいませんが)
私は好きです。
というか、考えなしなのか西洋はみんな好きですね。

なので(ってなにがなのでなのだか)、
そんな風にいろいろ考えさせられる作品や
いろいろ自分で考え言えることって尊敬です!!

すいません・・全然まとまんない・・。ボキャが貧弱です。







トモヒサ様 

私も何も考えないで読みますよ。むしろ何も考えないで読むファーストインプレッションを大事にしているくらいで。私も「どこか好き?」と聞かれて言葉につまることがあります。
というか会社にいて、いろいろな人と趣味のことについて話すとき、しかもこれが漫画だった場合ある程度自分の中でまとまっていないと話が続かないですからね。

だから自分の中で一定の域を超えた作品というのは他人様にどこが好きなのかを説明できるようにしています。
でもそうだな、会社の人とは漫画の話はしないですね。

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