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愛すべき男たち

佐々木正彦は美しい人だった( ネタバレ)

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はい、私がゲイならお手合わせしたいです。
佐々木さま・。・。・。・。・。・


1限めはやる気の民法 2 (2)

奥付は2002年3月初版発行。
2巻の巻末にあるこの「彼は美しい人だった
は描き下ろしです。


藤堂兄弟のうち 弟の藤堂ヒロちゃん(宏明)の
高校時代の恋とその後、宏明の恋人になる
大学教授伊藤久雄とのなれそめを描いた作品です。

■あらすじ

高等部1年で陸上部に所属していた宏明は
部の3年生の先輩である、佐々木正彦に恋をし、
ふたりは関係を持つようになる。
宏明の兄の貴明が、法曹の道ではなく理工学部に学士入学
をしようとしていることや、ゲイであることを代議士の父に
カミングアウトしている姿をうらやましいと思いながらも、
彼自身は表向きは親の期待を裏切らないようにして暮らしていた。


佐々木正彦は美しいだけではく帝能義塾大学を首席で卒業するなど
優秀で、三年生で司法試験最短合格を目指すべく勉強していた。
二人の関係は宏明が大学の法学部にすすんでからも続いていた。
勉強するからあまり会えないといいながらも時折、執拗に宏明を
求めてくる佐々木。

期待されていた彼だが、ある日 司法試験の二次試験の合格者の中に佐々木正彦の名前はなく そして彼は・・・・・


この「彼は美しい人だった」の物語の主要登場人物、佐々木正彦と藤堂宏明は恋人同士なのですが、お互い奥底の思いを押し殺していて、心に思う本当のせりふを発しないのです。

キスをして唇から血がにじんでいる宏明に対して佐々木は
「血が出てる 辛かった?」とたずねるのですが 宏明は微笑みながら
「いいえ」と言うのです。

そんな我慢している美しい宏明を見て、佐々木は強烈にいとおしいと思うのですが、美しいもの同士の直感か、若く美しい宏明はいつか自分から離れていくとでも思ったか、彼をいつまでもつなぎとめておきたいがゆえに苛立ちを感じ、「これからはもうあまり会えなくなる」「大学の構内ではなれなれしくするな」とわざと冷たいことを言うのです。

なので 会わないといいながらも欲しているのは佐々木のほう。
執拗に会いたいと宏明を求めてくる。宏明もそれに応じるわけですが、宏明は佐々木と反対に彼への気持ちは冷めて冷静になっていく。
また佐々木は最短で司法試験に合格しようとあせっているためか、気持ちは追い詰められていく。

反対に宏明は、まだ高等部だったころ佐々木に借りた本「刑法入門
」著者伊藤久雄教授のゼミを選択し、ご存知、伊藤教授と恋人同士になる。

追い詰められていく佐々木正彦の 宏明への嫉妬、宏明に対する独占欲、そして宏明への恋など複雑にいりまじった彼の葛藤と、そんな佐々木が疎ましくなってくる宏明。そんな彼らの心の動きがこの短いページの中できちんと描かれています。

佐々木と宏明との別れの挨拶のときに佐々木は初めて宏明に本当の想いを伝えることができた。皮肉にもそれは正気の状態ではなかったが。

「お前の事 ほんとはいつも見てたんだ」

佐々木正彦は宏明を好きだったかもしれないが、多分本当に愛していたというわけではないと思うのです。

追いかけていたのは宏明ではなく実は佐々木のほうであったのだと。
佐々木の思いは愛や恋かどうかはわからないけれど、佐々木は宏明を目で追っていたかったのでしょう。


宏明は自分が美しく魅力があり、相手を惑わせてしまうほどの人間なのだと皮肉にも佐々木との交際を通じて自覚する。
苦しくなりはじめる彼は、次第に包容力のあるやさしい年上の人を追い求めるようになっていきます。

やがて彼は佐々木の貸してくれた本の著者で大学教授の伊藤久雄という心から落ち着けて、甘えられる 居場所を見つけるのです。

佐々木正彦の宏明への決して恋心だけではない複雑な想いがきちんと描かれていて、切なくさせる作品です。一読をお勧めします。


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~ Comment ~

こんにちは。 

ただ今、コソコソと「よしなが」を集めている最中です。うふ。
昨日は「ジェラールとジャック」を読みました。
う~よかった。もうちょっと読み込んでみたいと思いまする。とにかく「よしなが」という作家のおもしろさといったら、何で自分、今まで知らかったのや!と自分を責めるくらいの面白さでございますねえ(苦笑)これも早く読もうつと!うふ★

月読さま 

月読さまこんばんは。
ジェラールとジャック私大好きです~。わーいお仲間ふえてうれしいです。私もジェラジャ何度も何度も読みまして、今文庫が2冊、コミックスが2冊あるかな?読めば読むほど浸れます。私は作中に出てくるシャルロットさんが大好きだし、アマルリックのどうしようもないとこも好きだし、ナタリーの身勝手さも巧いなあって思います。
うちのブログ、あんまり作品感想を載せてないんですよね。というのは私、気に入った作品は何度も何度もかなり読み返すタイプで、読むたびに違う感想を持ってしまうからなんです。昨日の「彼は美しい人だった」も早くも後悔してまして、もう違う感想がむくむくしてるのであとで記事をあげますけど・・・

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